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| 理論株価算出 STEP4 |
【STEP3】で『亜細亜証券印刷』が5年間で生み出すFCFが求められた。
次は割引率(WACC)で割り引いて現在価値をはじき出す。
割引率(WACC)は【STEP2】で1.87%と算出されている。
1年〜10年後の割引率は年々小さくなっていく。 ※【割引率とは】を参照。
その計算は次のようになる。
1年後のFCF÷(1+割引率)=1年後のFCF現在価値
2年後のFCF÷(1+割引率)2=2年後のFCF現在価値
3年後のFCF÷(1+割引率)3=3年後のFCF現在価値
・
・
・
10年後のFCF÷(1+割引率)10=10年後のFCF現在価値
10年後以降も企業が潰れない限り毎年FCFを生み続ける。
つまり残存価値があるのである。
一般的な企業というものは、誕生して始めの頃は急成長をする。
その後、業績が安定してくると成長も徐々に緩やかになってくる。
そして、ある一定のレベル(一流企業と呼ばれるレベルくらい)まで達すると、成長は完全に停滞するか、成長しても僅かなものかもしれない。
この考えを元に、成長率をゼロと設定して残存価値を求めると10年後以降のFCFは次のようになる。
10年後以降のFCF=10年後のFCF÷(割引率-永久成長率)
この場合永久成長率はゼロとして考える場合がほとんどである。
では、10年後までのFCF現在価値算出と、10年後以降の現在価値を以下の表にまとめてみた。
| あ |
H19 |
H20 |
H21 |
H22 |
H23 |
H24 |
H25 |
H26 |
H27 |
H28 |
残存価値 |
| FCF |
1901 |
1981 |
2063 |
2149 |
2238 |
2331 |
2429 |
2530 |
2635 |
2745 |
131842 |
| 割引係数 |
0.98 |
0.96 |
0.94 |
0.92 |
0.90 |
0.88 |
0.87 |
0.85 |
0.83 |
0.81 |
0.81 |
| FCF現在価値 |
1863 |
1901 |
1940 |
1979 |
2020 |
2061 |
2103 |
2145 |
2189 |
2234 |
107292 |
10年間のFCF現在価値の合計にFCF残存価値を足したものが事業価値と考えられる。
文章だと分かりづらいだろうから、分かり易くグラフで見てみよう。

10年の間FCFは順調に伸びると推測する。
割引分は年々増加していき、10年後以降になると成長は完全に止まる。
しかし、10年後以降もFCFは生み続ける=残存価値
上の図でピンク色のFCF残存価値を全て足したものが事業価値なのだ。
以上の考えより『亜細亜証券印刷』の事業価値を算出してみる。
10年間のFCF現在価値+残存価値=127726(百万円)となる。
【企業価値】
企業価値とは、読んで字の如く『企業の価値』の事である。
一般的には事業価値に金融資産を足したものが企業価値と呼ばれている。
企業価値(EV)の計算式は以下の通り。
| 企業価値=事業価値+金融資産(現金、預金、有価証券) |
事業価値は上のほうで1227726(百万円)と分かっているので、金融資産は貸借対照表の『現金及び預金』、『有価証券』から求めよう。
事業価値=1227726(百万円)
現金及び預金=8377(百万円)
有価証券=2501(百万円)
企業価値=1227726+8377+2501
企業価値=138604
企業価値は138604(百万円)となる。
【株主価値】
株主価値とは、企業価値から負債や少数株主分を引いたものである。
負債は返済する必要のある有利子負債の事を指す。
これら債務者への返済は、株主より優先的なので企業価値から引く。
少数株主分とは、親会社に所有されていない連結子会社の株主の事である。分かり易く言うなら、ソフトバンク(親会社)はYAHOO(子会社)の株を持っている。少数株主とはYAHOO(子会社)にとってはソフトバンク(親会社)以外の株主の事である。つまり、少数株主分とは全く関係のない第三者の株主達の分の事である。
株主価値の計算は以下のようになる。
企業価値=138604(百万円)
有利子負債=385(百万円)
少数株主分=38(百万円)
株主価値=138604-385-38
株主価値=138181
株主価値は138181(百万円)となる。
【算定株価】
株主価値を発行済株式数で割ってやると1株当たりの算定株価が算出できる。この算定株価と現在の株価を比較して割安であるかどうかの判断をするのだ。
株主価値=138181(百万円)
発行済株式数=39.2937(百万枚)
算定株価=138181/39293.7
算定株価=3516.6
亜細亜証券印刷株式会社の算定株価は3516.6円と算出された。
2006年9月現在の株価が1170円前後なので、今の株価は安過ぎると判断できる。
これで一通り、DCF法での算定株価算出が出来た。
しかし、この算出法はバリエーションの基本中の基本である。
今の私はこの辺が精一杯というのが本音だ。
DCF法は実に奥が深くて、難しい。
ファンダメンタル分析を極めるなら、更なる勉学が必要である。
最初から諦めていては何も進まない。
私も更なる勉学に励み、我が帝國の繁栄に尽くして行こうと思う。
皆様の健闘を祈る!
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